広島市中区白島北町の永山医院。内科を始め、大腸がん、子宮がん、すい臓、乳がんなどに対する免疫療法、ハスミワクチン、ビタミンC点滴など対応可能

汐見院長通信(読書の秋①)
暑い!という言葉しか出なかった夏があっという間に終わりました。
皆様、束の間の日本の秋をどう過ごされていますか。
秋の散策も楽しみですが、本を読んでゆったりとした時を過ごすのもよいものです。

今日のお勧めは、文学部を卒業後精神科医となられた帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい)先生の
『ネガティブ・ケイパビリティ※ 答えの出ない事態に耐える力』 (朝日選書) という本です。
※negative capability 負の能力もしくは陰性能力=どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力。

帚木先生が社会人から医師になられた経緯を知り、以来のファンです。
現役で活躍されている上に数々の文学賞もとられている尊敬する先生です。

内容は一言で言うと、
答えを焦ることなく求めず、、、なるようにしか人生はならないのだから。。。といったところでしょうか。(短っ)

とても考えさせられる内容です。
わたしは、推理小説でも、すぐに犯人を当てたくなるタイプの人間なので(汗)特に身にしみます。
また、先生はこんなことも言われています。
『今の世の中、苦労を嫌うところがあるように感じます。しかし苦労のない人生なんてありませんし、苦労がないのは面白くないなと私は思います。「中高年になっても苦労なんかしたくない」「もういっぱい苦労したからこれから先はもう安穏としていきたい」という願いをお持ちの方もいると思いますが、それは「悪魔のささやき」ではないでしょうか。日々趣味や用事で忙しく過ごして、安穏としない自分を作っていくことが幸せを生むのだと思います。』

かつて年配者に苦労は買ってでもしろ、と言われ猛反発していた自分を思い出しました。なんなら、今でも苦労なんてしない方がいいと思っていますが、確かに苦労ない人生なんて有りません。
そして、充分苦労したから、もう楽になりたいと思うことが、悪魔の囁きだと、ひと回りも上の先生から言われると、まだまだ若い?わたしは頑張ろうと思えた秋の夜でした。

答えの出ない問題に直面して苦労するのも、人生の秋のお楽しみとします、か。